この映像は、「
銚子マリンレスキューチャレンジ2018」に参加したドローンの映像の一部です。
私たちが競技中に見ていたものと同じ映像を、ドローン本体のSDカードから読み込んだものです。
このコンテストでは、漁船が海で遭難したことを想定、海難者の「捜索」と「救援」の2つの課題に挑むドローンのコンテストです。
ph+は、この海難コンテストの第一回大会(2018年8月開催)に、千葉市でドローンレースフィールドを運営している「
SKY GAME SPLASH(スプラッシュ) 」と共に参加しました。
上記の動画は、このコンテストの課題2(救援)の際のドローンからの映像の一部で、あらかじめ提示された緯度経度にあるターゲットに救援物資(ライフジャケット)を届ける際のものです。
この課題では、海上に設置された木枠の中に、救援物資をドローンを使って投下させるルールです。次の画像は、捜索の前に主催者から提供されたターゲット(木枠)の画像です。
主催者からは、木枠の緯度経度情報のみが競技者へ伝えられました。競技中、挑戦者はドローンを使って物資を運び投下するわけですが、この時、ドローンに搭載のカメラ映像をリアルタイムにモニタ画面に受信し遠隔でドローン操縦をしています。ただし、冒頭のような鮮明な映像ではなく、太陽光の反射、映り込みなどの条件でこの木枠を探しているのです。次の画像は、私たちが飛行させているドローンの様子です。(中継映像のキャプチャ)
ライフジャケットをぶら下げ、ターゲット地点まで飛行させます。
もう一度、冒頭の映像を見てみましょう。
見つけましたか?
実は先ほどの動画には、この木枠が映されています。
木枠は船の左側、若干画面奥にあることがわかります。
私たちは、主催者から示されたターゲット(木枠)の画像を頼りに、ドローンを飛行させて木枠を探しました。おおよその位置はGPS情報(緯度経度)が与えられており、その位置まで飛行させました。すると船があったため、おそらく木枠はこの周辺にあると推測していました。
40分の競技時間の中、船の周りを何度も見回しました。
画面の範囲では木枠を捉えています
しかしです。ドローンからの映像を見ながら木枠が浮いているのを探しますが、見つけることができません。より画質の高い冒頭にある動画を見ても、なかなか探せなかったのではないでしょうか?
このように「浮いている木枠を探す」、「浮いている」ということを思いこみながら探していると、見つけられなかったのです。一度思考をリセットし、「どうしたら物体を発見できるか?」とその場で冷静に考えることができれば、カメラを真下に向け、船の近くからゆっくりと周囲を探索する行動ができていれば、例え不明瞭な画像だとしても、木枠を見つけ出し物体投下ができたかもしれません。現に、木枠に物体投下を成功させて課題をクリアした競技者はいました。
私達のチームが課題2で飛行した際のノーカット映像です。40分の競技時間の中で、Phantom4Proを2回飛行させました。通常のPhantom4Proは1回30分程度の飛行が可能です。今回は約400gのライフジャケットを吊り下げながら飛行したため、1回の飛行時間は15分程度に短縮されました。ちなみにレスキューポイントまでの距離は2kmを超えます。操縦者とドローン機体に障害物がなく見通せる条件ならば、この2kmという距離はドローン操作や映像受信はスペック通りの動作ができることが体感できました。
Phantom4Proでリアルタイムに見ることのできる映像の解像度は720p。今回はiPad miniのスクリーンで探しました。HDMI出力から大型ディスプレイにして探すなど、「こうすれば良かった」と思うことは多々あります。
実際の海難救助においては、気象条件や周囲の電波状況などより難易度は高くなるでしょう。今回のコンテスト参加を通じて、ドローン操作以外に大切なことを学ぶことができました。